うろ覚え昔話: 県立静岡美術館に無題2004を見に行った話

こんにちは。SCP-JP 7周年企画委員会代表(自称)の海野です。

 

2年ほど前、加藤泉氏の「無題2004」をふくめた「高橋コレクション」の展覧会が行われたことを覚えていますか? 話題になりましたよねFacebookの投稿が(悪い意味で)。

 

実は展示期間に、サイトスタッフは見に行きました。今回はその回想録です。見学に向かったメンバーは以下のとおり。

 

育良さん - 言わずと知れたSCP-JPのフロントマン。当時はまだニコ生に出始めたぐらいでしたね。

y33r41さん - 現在はSCP-JPの最高管理者。法学にくわしい。

Nanimono Demonaiさん - 当時の最高管理者。最近辞めてしまわれましたが…

C-takeさん - 最近激やせしたSCP-JPを代表するウェブエンジニア。当時はまだふくよかでいらっしゃいました。

physicslikeさん - クレジット評価モジュールや複数タグ検索などで多大な貢献のあるテクニカル・スタッフの方です。

わたし(海野) - とくに専門とかはない学生。

 

メンツを見るとわたしだけが飛び抜けてクソガキでした。発起人・兼・引率は収容違反インシデントの仕掛け人のひとり、████さんです。この方はサイトスタッフではなく某動画投稿サイト運営企業の社員さんです。

 

展覧会の名前は「アートのなぞなぞー高橋コレクション展: 共振するか? 反発するか?」。現代美術コレクターの高橋龍太郎氏によって集められた現代美術たちと、県立静岡美術館が所蔵する古美術たちの合わせて132点が展示されていました。

spmoa.shizuoka.shizuoka.jp

f:id:Agt_Unno:20200625014425j:plain

「アートのなぞなぞー高橋コレクション展」のチラシ

 

Google Mapのタイムライン機能で当日の足取りを見てみると、どうやら朝の10時ぐらいに新宿に集合だったようです。そのときのツイートを見てみましょう。

 遅刻の危機にあったようです。しょうもないツイートしてないで走るべきですね。

 

████さんの運転でまずは足柄サービスエリアに到着。

f:id:Agt_Unno:20200625024128j:plain

Xperia Z3の画質微妙すぎません…?

ここではとくに用事があるわけではないのですが、みんなでお昼ご飯となりました。

ちなみにこの写真はCC BY-SA 3.0だそうです。育良さん容赦なく自撮りを載せていくのでブログが華やかになって大変助かります。

 

そういえばこのとき育良さんが食べていたのはハンバーガーでした。当時は毎日会社の近くでハンバーガーを食べていたそうですが、いまの食生活はCOMPだとか……。

 

腹ごしらえを済ませ、さらに走ること1時間半、ようやく静岡県立美術館に到着です。テンションの上がった一行は、入る前からやたらと写真を撮りまくります。なんかやけに集合写真とか撮った記憶があります。

これはそんな一例。

テンションが上がりすぎてこの後iPhoneの画面を割ってしまった育良さんです。

 

美術館内には、いくつか撮影OKのスポットがありました。残念ながら加藤泉氏による作品はぜんぶ撮影NGなので写真はありません。というか写真撮影OKでもアップロードOKとは限らないんですよね、なんかインスタグラムのアイコンが添えられていましたが…

 

そんなわけで会田誠の超巨大な少女画や、村上隆の花地獄などを見て回りました。

ふいに、C-takeさんに後ろを指差されました。なにかと思って振り返ると、巨大な頭部を持った、ゆがんだ体躯を持つ赤子が壁によりかかっていました。

 

無題2004が現れたのは唐突でした。しかもそのすがたは、わたしたちが知るイメージとはやや異なったものでした。話によると、ネットに出回っている(SCP-173の報告書でも使われている)写真は、製作途中のものであるらしく、カラーリングなどにかなり手が加えられています。

 

なによりわたしたちが驚いたのは、どうやらこの立像は「オス」なのではないかということでした。二本足の間の部分に、なにやら男性器めいた形状のでっぱりがあったのです。

 

正面から撮影した写真がないため、これは実物を見ないと気付けなかったでしょう。実はコレクションの主、高橋龍太郎氏はこの作品について、加藤泉による木像としては最初期に当たる作品なので、未熟な点があった、としています*1

 

その点とは「二足で立ってはいるが、壁に寄りかからねば自立ができないこと」だそうです。高橋氏いわく、それがプリミティブさを表現しているのでよい作用になっている、ということでした。 ちなみに、高橋氏もSCP Foudantionの存在はご存知のようです(現状に肯定的か否定的なのかまでは知りません)。

 

会場にはほかにも数点の加藤氏による作品がありました。立像はさすがに無題(2004)のみでしたが、あの像によく似た意匠の絵画がたくさん展示されていました。展示の小テーマとして「おとなこども」が挙げられたゾーンにおける作品のため、いずれもが子供をテーマとしたものでした。

 

学芸員さんのお話だったか████さんの予備知識だったか定かでないのですが、加藤氏独特の作風は、氏が離婚をしてからのものであるそうです。そう考えると、あの立像からひとびとが敵対的な印象を受けたのは、単なる思い付きではないのかもしれませんね。

 

さて、県立静岡美術館といえば何を置いても「ロダン館」です。まあ例によって写真上げていいのかわからないのでないんですけど…

 

オーギュスト・ロダンは日本でもファンがかなり多いと思いますが、もっとも有名なのは座り込む男性の彫像「考える人」。そしてもうひとつは、上野の国立西洋美術館の前庭にも展示されている「地獄の門」です。

 

いずれも、県立静岡美術館にレプリカが展示されています。それ以外にも習作やロダン以降の作家の作品などを含めて49点もの収蔵品が見られます。意外と面白いのでみんなも行ってみよう!

 

ロダン館にはイベントスペースも併設されているので、時期が良ければなにかイベントが見られるかもしれません。われわれのときはVRで美術品を「触る」イベントをやっていました。

 

ここからはぶっちゃけ余談です。いろいろと歩き回ること二時間弱、そろそろ疲れてきた一行は美術館を後にしました。車に乗り込み、静岡市内を走る一行の前に現れたのは

「えっ駿河湾?」

駿河湾だー!」

とスタッフがつぎつぎテンションを上げる中、運転手の████さんがカーナビをみて

駿河湾って逆方向じゃない……?」

われわれはただ工場の壁に興奮していたのだということがわかりました。

ちなみに、晩御飯は「さわやか」でした。

f:id:Agt_Unno:20200626011802j:plain

マジで混んでる日に行くと四時間待ちとか言われます

f:id:Agt_Unno:20200626011805j:plain

おいしそう

以上、サイトスタッフによる無題2004視察レポでした。

尻切れトンボですがおしまいです。


*1:高橋龍太郎(2016)「現代美術コレクター」, 講談社現代新書, ページ忘れました…